英首相、総選挙実施を検討 合意なき離脱の阻止封じる狙い
(CNN) 英国のジョンソン首相は2日に声明を出し、来月末に予定されている同国の欧州連合(EU)離脱の実現に向け、総選挙の前倒しを検討する考えを示唆した。自身が率いる与党・保守党内の造反議員を抑え込み、「合意なき離脱」を阻止する動きを封じる目的があるとみられる。
首相官邸の外で声明を発表したジョンソン氏は、EU側に対し離脱交渉の延長を求めるつもりはないと明言。英議会からの強い要請があっても応じない意向を示した。
そのうえで、これ以上「無意味な」離脱延期を繰り返すことの是非を争点に、総選挙を行う考えを示唆した。
複数の英メディアが政府関係者の説明として伝えたところによれば、ジョンソン氏は総選挙の投票日を10月14日に設定する可能性があるという。この日は月曜日で、実現すれば基本的に木曜日を選挙の投票日としてきた英国の慣行からは外れることになる。
英国の法の下では、ジョンソン首相が総選挙の実施を望むなら、下院議員の3分の2の賛成が必要だ。
ジョンソン氏の声明に先駆け、野党・労働党のヒラリー・ベン議員は合意なき離脱を阻止するための法案に言及。議会の承認を経ない限り、10月31日の合意なき離脱は実現しないとする内容を公開していた。
この法案に対しては今週、合意なき離脱に反対する野党議員や保守党の造反議員らが支持を表明するとみられている。