英下院議長、首相の「合意なき離脱」強行は「銀行強盗と同じ」
ロンドン(CNN) 退任を表明しているバーコウ英下院議長は12日、ジョンソン首相に対し、法律を無視して欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」を実施することがないよう警告した。離脱強行は「銀行強盗」に等しい措置だとしている。
バーコウ氏はまた、議会に「さらなる手続き上の創意工夫」を行うことを認め、立法府を回避しようとするあらゆる試みを阻止すると述べた。
バーコウ氏の講演はロンドン市内の比較法研究組織の年次会合で行われた。議会では9日、「合意なき離脱」阻止を目的とした法案が成立。その後、ジョンソン氏の要請で5週間の閉会に入った。
ただ、ジョンソン氏は10月31日までの離脱実現を公約に掲げて首相に就任しており、欧州に延期を要請するくらいなら「野垂れ死ぬ」方がましだと主張している。新法は19日までに新たな合意に至らない場合、EUに延期を要請するようジョンソン氏に義務づける内容。
バーコウ氏は講演で「できるだけ早くEUから離脱するという『高貴な目的』を名目にEU基本条約第50条の延長を要請することを拒むのは、盗んだ現金を直後に慈善目的の寄付に充てることを理由に銀行強盗を許すのと同じだ」と指摘した。
バーコウ氏は9日、10年間務めた下院議長を10月31日までに退任すると発表していた。31日は英国のEU離脱予定日に当たる。