超音速の米大統領機、内部を独占取材
(CNN) 米空軍と協力するカリフォルニア州の新興企業が、エアフォースワン(大統領専用機)として使われる可能性のある超音速機の開発を進めている――。昨年9月、そんな報道が流れた。
開発を手掛ける企業は「エキソソニック」。マッハ1.8の低騒音超音速ツインジェット機の構想を提示して軍に強い印象を与え、大統領および行政空輸管理局(PE)から契約を付与された。
そしてCNNは今回、米行政部の貴賓を乗せる目的で設計された同機の客室内装を独占取材した。
同機は31人乗りで、エキソソニックが構想する70人乗り商用機の派生型となる。豪華な革、オークや石英をあしらった備品、仕事や休憩のためのプライベートスイートを備え、ビジネスジェット機の究極の形といえる。しかも、巡航速度は既存の航空機の2倍だ。
大統領機の機能は必要に応じて変化するが、この機体は主に「エアフォースツー」として使われる可能性もある。エアフォースツーは米副大統領を運ぶ航空機のコールサイン。
新技術
エキソソニックの内装を担当するステファニー・チャハン氏は、CNNにバーチャル説明会を行った際、「現状では利用できなかったり、商用機やビジネス機では(まだ)お目にかかれなかったりする新技術を実装する予定だ」と語った。
プライベートスイート2組のうち、一つ目は3人用の会議室となる。貴賓が執務やインターネットの利用、メディア対応を行えるよう、セキュリティー対策を施したテレビ会議室を備える。
回転式の座席は、木製フレームに革張りという仕立てだ。ビデオモニターは折りたたんで保管可能なため、備え付けの棚の上に食器やプレゼン装置のスペースを確保できる。
「このため、搭乗者が副大統領であれファーストレディーであれ、ファーストジェントルマンであれ、非常に柔軟に対応できる」(チャハン氏)