高さ世界一の観覧車が登場、10月オープン ドバイ
(CNN) アラブ首長国連邦(UAE)ドバイが誇る「世界一」の建造物リストに、またひとつ新たな名前が加わる。人工島「ブルーウォーターアイランド」に来月オープンする、高さ世界一の観覧車「アイン・ドバイ」だ。
アイン・ドバイは高さ250メートル。米ラスベガスにある現在の世界一、「ハイ・ローラー」より82メートルも高い。英ロンドンのテムズ川沿いにそびえる「ロンドン・アイ」の135メートルに比べると、2倍近い高さだ。
ドバイにはこのほかにも、世界で最も高い場所にあるインフィニティ・プールや世界最大規模の噴水ショー、最速のジェットコースター、最大規模の屋内テーマパークなど、世界一がそろっている。
アイン・ドバイの構想は2013年2月に発表された。建設工事は15年5月に始まり、19年初めから半ばには完成する予定だった。これが昨年10月20日まで延び、さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響によるドバイ万博の1年延期を受けて先送りされていた。
当初の計画から遅れた理由をめぐっては、工事中に設計上の欠陥が見つかったとの説などさまざまなうわさが飛び交った。だが建設チームは、この規模の工事に遅れは付き物だと強調する。
設計を手掛けた英コンサルティング会社、WSPの技術責任者ダレン・ブルック氏は、土台が沈下しているという説を例に挙げ、うわさはすべて事実無根だと断言した。
さらに、アイン・ドバイは「ドバイで一番安全な場所」になると主張。「2475年間に一度の地震」や、風速44メートルを超える猛烈な風にも耐えるよう設計されていると主張した。
ブルック氏によると、アイン・ドバイの敷地面積は通常の観覧車の4倍に上る。鋼材の使用量は1万1200トンと、パリのエッフェル塔を約33%も上回った。観覧車を立ち上げるのに必要な力は2500重量トン。軸の部分の重さは1805トンと超大型旅客機「エアバスA380」4機分に相当し、周りの部分は48のキャビンを合わせて7500トンに上る。
計192カ所の輪止めはそれぞれ太さ9ミリのワイヤー107本で構成され、全部つなげばドバイからエジプトの首都カイロまで到達する距離になる。
耐用年数は60年、計30万回の回転に耐えるよう設計されている。軸に集まるケーブルの寿命を倍増させ、負荷をリアルタイムに計測して分析する技術も導入された。
観覧車の所要時間は1周38分。キャビンの定員はそれぞれ40人で、一度に最大1750人が乗り込める。キャビンはスタンダードタイプのほか、中央にバーを備えたソーシャルタイプ、2周できてコース料理のディナーも楽しめるプライベートタイプの中から選ぶことができる。
設計にはロンドン・アイの技術責任者を務めたケビン・ダイアー氏をはじめ、UAEのほか韓国、ドイツ、英国、オランダ、フランス、イタリアのコンサルタントが参加した。
チケットは130UAEディルハム(約3900円)から。すでに公式ページ上で売り出されている。