シドニー港に遊泳プール建設を、市長が構想
(CNN) オーストラリアの大都市シドニーのクローバー・ムーア市長が、シドニー港に市民のための遊泳プールを建設する野心的な構想を打ち出した。
「港で泳ぐことは夢物語ではない。世界中の都市が、インフラの建設を増やすよりも自然の多い港という資産に目を向けている」。ムーア市長は今月18日に行われたシドニー・ウォーター・イノベーション・フェスティバルの演説を引用してそう述べた。
市は建築事務所のABAに委託して、シドニー港に一般市民が利用できる遊泳プールを建設した場合、どんな姿になるかを予想している。
市長の提案では、気候変動や人口の増加によってシドニーの姿は今後数十年のうちに変化すると予測。緑を増やし、港をきれいにして泳げるようにすれば、住民に涼んでもらえる場ができると指摘した。
ABAは公営プール建設の候補地として、ピアモント地区にあるピラマ公園や、エリザベスベイにあるベアー公園を挙げている。
ムーア市長は構想の前提として水質の向上を訴え、「我々の港には汚染がひどい場所もある。そうした水路をきれいにして娯楽に利用できるようにし、生物多様性を向上させるためには、政府のあらゆるレベルで協力が求められる」とした。
シドニーの計画はまだ構想段階だが、デンマークのコペンハーゲンで進められている同様のプロジェクトに着想を得ている。コペンハーゲンの港の歴史を象徴する「ウォーターフロント・カルチャーセンター」には屋内プールと屋外プールが設置される予定で、設計はコンペで選ばれた隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける。