機内からリクライニングシートが消えつつある理由

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機内からリクライニングシートが消えつつある理由とは?/imaginima/iStockphoto/Getty Images

機内からリクライニングシートが消えつつある理由とは?/imaginima/iStockphoto/Getty Images

(CNN) 飛行機の座席のリクライニングボタン――あまりにも論争の元になるため、前の乗客のリクライニングを防ぐ器具を開発するミクロ産業まで誕生した。

かつてはエコノミークラス全席にリクライニングが搭載されている時代もあった。今日、リクライニングが最初からついていないシートモデルが出てきている。

一部の機体でリクライニングシートが消えたのはなぜなのか? それは良いことなのか、悪いことなのか? リクライニングできるからといって、必ずシートを倒さなくてはならないものなのだろうか?

航空業界の常として、その答えは尋ねる相手によって変わる。

まずはリクライニングの仕組みから見ていこう。基本的には、旋回支軸のついた機械装置が座席クッションの下の部分に隠されていて、ワイヤーでひじ掛けのボタンとつながり、空気キャニスターでシートを直立した状態に戻す。こうした可動パーツを、機内シートのメーカーは「キネマティック」と呼んでいる。

こうした部品は航空会社にとってコストを意味する。第一にメンテナンス費用。通常の摩耗にせよ、はたまた乗客の機体の扱いが乱暴だからにせよ、どんな機械装置も壊れるものだ。

第二が重量によるコストだ。こうした装置のせいで重量はあっという間に増える。現在、近代的な軽量シートの重量は、おおむね1席あたり7~10キログラムだ。いくらかでも重量を減らすことができれば、飛行機を飛ばすのに必要な燃料も抑えられる。

第三に、ある意味もっとも重要な点として、迷惑コストがある。リクライニングのマナーをめぐって乗客同士が争うと、フライトアテンダントは監視役を務めなくてはならない。時には乗客の迷惑行為が甚だしいため、安全のために進路が変更されたケースもある。

わずかな隙間も重要

では、シートが倒れなかったらどうなるのか?

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