コーヒー2杯と水で9500円、観光客相手のぼったくり横行 イタリア
首相府によると、ジョルジャ・メローニ首相さえも、今年はアルバニアのビーチで短期間の休暇を過ごした。
8月15日前後の夏休みにイタリア国内で休暇を過ごすイタリア人は、コロナ禍前に比べて約30%減の1400万人にとどまるという予想もある。
「空の便や宿泊施設、パッケージ旅行の値上がりが、イタリア人の休暇の習慣を根本から変えさせた」と消費者団体の担当者は解説する。
しかし外国人観光客は、そうした国内観光客の落ち込みを上回って増えている。イタリア観光省の予想では、この夏にイタリアを訪れる観光客は6800万人と、コロナ禍前より300万人以上増える見通し。このため外国人観光客は、最も手っ取り早い便乗値上げの標的になっている。
観光省によると、今年は米国とアジアからの観光客が押し寄せており、支出額が多く滞在期間も長い傾向にあるロシア人観光客と入れ替わった。
特にひどい値上げが見られるのは、ビーチでサンベッドやパラソルをレンタルしている業者だ。プーリア州でサンベッド2台とパラソル1本をレンタルした場合の料金は、平日は平均50ユーロ、週末はほぼ2倍になる。さらに北部のポルトフィーノのような観光地では、混雑するビーチの最前列のレンタル料が平日で150ユーロになることもある。それも、地元の住民が先に最前列を予約していなければの場合だ
ホテル協会の関係者は、「(エジプトの)シャルムエルシェイクの方がずっと安いので、多くのイタリア人が国外に出かける」と話し、サルデーニャ島のような昔からのイタリア国内の観光地に家族で出かければ、高額なフェリー代や航空運賃から始まって、値段がつり上がったホテル代や高額な食事代に多額がかかると指摘した。