クルーズ船、荒れる北海で一時、出力喪失 計397人搭乗
(CNN) デンマークの海事行政当局などは23日までに、同国西部の北海上で21日、ノルウェーのクルーズ船が強風に襲われて窓ガラスが割れたり、浸水や一時的な停電などが起きたりする被害を受け、航行不能に陥ったと報告した。
一方、同クルーズ船「MSモード」の運航企業はCNNの取材に、「大波に見舞われて」一時的な出力喪失を被ったと声明で説明した。乗客266人に乗員131人が搭乗し、ノルウェーのフローレを出港し、英国のティルベリーへ向かっていたとした。
デンマークの統合救助調整センター(JRCC)の報道担当者によると、MSモードはデンマーク西岸から約193キロ離れた海上を進んでいた際に強風などに遭遇。ただ、乗客退避の支援要請はなく、乗客乗員に問題はない状況にあると判断したという。
運航企業の報道担当者は22日夜、乗客乗員の全員の安全と無事を確認。船体の状態も安定しており、自力航行も可能と報告していた。
JRCCは22日、エンジンは動いているものの、艦橋上のシステムが浸水したため航行システムとレーダーの機能が低下していると説明した。ただ、緊急航行システムを作動させ、操舵(そうだ)が可能な状態にある。民間の支援船2隻も近くに控えているという。
運航企業によると、同船は安全管理の確認や機器類などの技術的評価を行った後、航路を変更してドイツのブレーマーハーフェンに向かい乗客を下船させるとした。