ギリシャの空港で行方不明になった猫 探し続ける飼い主、航空会社や空港は責任なすり合いと訴え

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目に障害を負っている1歳の猫「ロドリ」/Courtesy Alyssa Kopp

目に障害を負っている1歳の猫「ロドリ」/Courtesy Alyssa Kopp

(CNN) ギリシャの空港で旅客機に乗せられるはずだった猫が、1カ月以上も行方不明になっている。飼い主は破損して空になったケージを見せられたものの、今も何が起きたのかは分かっていない。

行方が分からなくなったのはアリッサ・コップさんと母のメアリー・ゴメス・コップさんの愛猫「ロドリ」。航空会社からも、手荷物取り扱い会社からも、問い合わせに対する返事は来なくなった。コップさん親子は空港で行方不明になるペットのことをもっと知ってもらいたいと、SNSで情報発信を続けている。

しかしそれ以上に、4月1日で1歳になった片目が見えない愛猫に、ただ再会したいという思いを募らせる。

ゴメスさんはギリシャのクレタ島在住のドイツ人。60匹ほどの野良猫の世話をしながら里親探しの活動をしている。

クレタ島で野良猫の世話をしながら里親探しの活動をしているアリッサ・コップさん(左)と母のメアリー・ゴメス・コップさん/Courtesy Alyssa Kopp
クレタ島で野良猫の世話をしながら里親探しの活動をしているアリッサ・コップさん(左)と母のメアリー・ゴメス・コップさん/Courtesy Alyssa Kopp

ごみの山で暮らしていた子猫に出会ったのは昨年9月、娘のアリッサさんが滞在していた時だった。

子猫は右目がなく、左目もよく見えない様子だった。保護されて地元の獣医師の手当てを受け、人懐こいロドリはたちまちコップさん一家の一員として愛されるようになった。

しかしロドリの目はドイツの病院で見てもらった方がよさそうだと判断したゴメスさんは、ミュンヘンにロドリを連れて行くことにした。

3月8日、クレタ島のハニアからアテネに向かうエーゲ航空の便には、ロドリを含めて3匹の猫を乗せる手続きをしていた。ほかの2匹はゴメスさんがドイツの里親のもとに届ける予定だった。

コップさんはハニアの空港で3匹の猫のために360ユーロ(約5万9000円)を支払って手続きを済ませ、エーゲ航空の係員に3匹を預けた。

アテネに無事到着したゴメスさん。ところがミュンヘン行きの便への乗り継ぎを待っていたところ、空港係員に呼び止められ、破損したケージを見せられたという。

ケージは上部のプラスチックが破損して大きな穴が開いていた。中は空だった。

空港職員が見せたという、破損した猫用のケージ/Courtesy Alyssa Kopp
空港職員が見せたという、破損した猫用のケージ/Courtesy Alyssa Kopp

残る2匹のケージを確認したゴメスさんは、いなくなったのがロドリだったことを知った。

係員からは、何が起きたのか分からないと告げられたという。

取り乱したゴメスさんに対して係員は、ロドリを探すよりも乗り継ぎ便に搭乗するよう促した。残る2匹をドイツの里親に届けなければならず、ゴメスさんは乗り継ぎ便に搭乗することにした。

以来、ロドリとの再会は果たせていない。

ロドリを探し続けるコップさん親子は、クレタ島のハニア空港もアテネ空港も責任の押し付け合いだったと訴える。

ゴメスさんは目撃情報を頼りにアテネとの間を4回往復したが、最初は公共エリアしか捜索させてもらえなかったという。捜索のための8回のフライトのうち、3回はエーゲ航空が負担した。

それでも手がかりはなく、両空港とも情報提供を呼びかけるポスターははがされて、ハニア空港からは捕獲器も返却されたという。

ハニア空港の管理会社はCNNの取材に対し、できる範囲で手は尽くしたと述べ、責任は航空会社と手荷物の取り扱い会社にあると説明した。

アテネ国際空港は、ロドリがアテネの空港に到着した形跡はないとしている。

コップさん親子との電子メールのやり取りの中で、エーゲ空港の担当者は、3匹の猫はハニア空港で同機に搭乗させたが、アテネに到着したところで、ケージの1つが破損してロドリがいなくなっていることに係員が気づいたと説明している。しかしコップさん親子によれば、防犯カメラには猫たちが同機に乗せられる様子は映っていなかった。

この電子メールの日付は3月13日。以来、問い合わせに対してエーゲ空港からの返事はなかった。

ゴメスさんは目撃情報を頼りにアテネとの間を4回往復し、ロドリを探している/Courtesy Alyssa Kopp
ゴメスさんは目撃情報を頼りにアテネとの間を4回往復し、ロドリを探している/Courtesy Alyssa Kopp

エーゲ航空はCNNの取材に対し、具体的な質問には返答しないまま、全力は尽くしたと述べ、再発防止のために調査を行っているとした。

SNSで情報を発信しているコップさん親子には、同じようにペットが行方不明になったという「たくさんの人」から連絡があったという。

過去2週間だけでも、イベリア航空のスペイン国内便で猫2匹が行方不明になっていた。

「彼らの対応は何も変わらない。小さな動物1匹のために120ユーロのチケットを売っておきながら、こんなことになるなんて」とアリッサさんは憤る。

エーゲ航空からは払い戻しの申し出も補償の申し出もないという。ただ、そんなものはいらないとアリッサさんは言う。「お金をもらっても猫は戻らない。お金はいらない。調べてもらい、どこで何が起きたのかを教えてほしい」

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