NZ、外国人旅行者への観光税を3倍に引き上げ
(CNN) ニュージーランド政府は来月1日以降、外国人旅行者に課している国際観光税(IVL)を、現行の3倍近い100NZドル(約9030円)に引き上げる。
ドーシー観光相は声明で、外国からの観光客受け入れには、地元のインフラにかかる負担や環境資源の維持費などのコストがともなうと強調した。
IVLは2019年に環境保護のコストをまかなう目的で導入され、現在は1人35NZドルに設定されている。
ドーシー氏によると、外国人旅行者が今年3月までの1年間に同国で費やした金額は110億NZドルを超えた。
引き上げには批判的な声も上がっている。観光業界団体TIAは声明で、国内の観光業の回復は諸外国に後れを取っていると指摘。観光税が上がれば旅行者はカナダや英国に流れ、ニュージーランドの国際競争力がさらに低下するとの懸念を示した。
ニュージーランドでは来月1日から、ビザ申請の料金も値上げされる。ビザ免除協定の対象となっている米国や日本など60カ国・地域から観光目的で訪れる旅行者はビザなしで3カ月まで滞在できるが、IVLと電子渡航認証申請の手数料は支払う必要がある。
旅行者からIVLのような観光税を徴収する動きは世界各地でみられ、すでにイタリアのベネチアから南アジアのブータンまで約60カ所にも及んでいる。英北部スコットランドの首都エディンバラやスイスのリゾート地ツェルマットでも導入が検討されている。