コモ湖の新鮮な空気の缶詰、旅行者向けに販売 イタリア
(CNN) 休暇を終えて帰宅する旅行者にとって、旅先の一部を自宅に持ち帰る最も身近な方法と言えば、通常は旅先で写真を山ほど撮ったり、スーツケースに入りきらないほどの土産を買い込んだりすることだろう。
しかし、イタリア通信会社イタリーコミュニカは、イタリアの絵のように美しい湖、コモ湖の空気そのものを缶詰にし、1缶9.90ユーロ(約1600円)で販売している。
この缶には、コモ湖で採取された「100%本物の空気」が400ミリリットル入っているという。コモ湖は、その美しさから、最近、旅行者の間で人気が高まっている。近くには米俳優ジョージ・クルーニーさんの別荘があり、映画「007/カジノ・ロワイヤル」や「ハウス・オブ・グッチ」のロケ地にもなった。
コモ湖があるロンバルディア州の観光局によると、2023年には560万人以上がコモ湖を訪れ、その数は着実に増加しているという。
この空気の缶詰の販売について、イタリーコミュニカの広報担当者は、「旅行者がスーツケースに入れて簡単に持ち運べる土産を作りたかった」と述べ、さらに「斬新で、楽しく、旅行者がワクワクする品を目指した」と付け加えた。
缶の値段は9.9ユーロ/courtesy Italycomunica srl
またこの缶詰の「仕掛人」であるマーケティングの専門家ダビデ・アバニャーレ氏は「これは単なる商品ではなく、旅行者の心に残る、形ある思い出だ」とし、旅行者が帰宅し、缶を開けた後は、土産物のペン立てとして再利用可能だと付け加えた。
空気の缶詰を販売しているイタリアの観光地は他にもある。例えば、ナポリでは何年も前から地元の空気が販売されており、アバニャーレ氏はそれらの都市から着想を得たという。
また20年には、ある企業が、海外在住の英国人に故郷の香りを届けるために、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの「本物の空気」の瓶詰の販売を開始した。