オバマ氏、イスラエルとの安保強化法に署名 大統領選意識か
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は27日、イスラエルとの安保協力を強化する法案に署名した。今年11月の米大統領選で共和党候補に事実上決まったロムニー前マサチューセッツ州知事がイスラエル訪問の途次にある中で、テレビカメラも動員して演出した署名は大統領選を意識した対抗手段との見方も出ている。
また、大統領選でのユダヤ系有権者の支持固めを狙った署名との指摘もある。米ホワイトハウスが7月20日に公表したオバマ氏の先週の日程では今回の安保協力強化法案への署名は含まれていなかった。
ホワイトハウスのカーニー報道官は27日の署名にこめられた政治的意図を否定、米議会が17日に法案を可決したことやオバマ氏が22~25日に国内を旅行していた事情に言及した。ロムニー氏は最近、復員兵組織の会合で演説してオバマ氏の中近東政策に触れ、米国のイスラエル支援は不十分などと非難していた。
オバマ氏は法案署名に伴い、米国によるイスラエルの安全保障への揺るぎない決意を表明。以前に承認したイスラエルのミサイル防衛計画への7000万ドル(約54億6000万円)の資金援助の重要性にも言及した。また、パネッタ米国防長官が近くイスラエルを訪問し、防衛や安全保障問題での両国の協力関係をさらに促進させる措置などについて協議することも明らかにした。
安保協力強化法案では、イスラエルがいかなる脅威にも対応出来る軍事的能力の保有への支援を表明。また、国連安全保障理事会で一方的な反イスラエル決議を拒否することも約束したほか、諜報(ちょうほう)収集活動やイスラエル空軍の訓練での協力拡大なども盛り込まれた。