シリア・アサド氏退陣後も軍温存が最善策、治安維持で 米国防長官
(CNN) パネッタ米国防長官は2日までに、シリア情勢に関連しアサド政権が崩壊しても同国の安定保持のため軍や警察の組織を維持させるのが最善との考えを示した。
訪問先の北アフリカのチュニジア・チュニスでCNNとの会見に応じ、述べた。長官はこの中で、アサド大統領はいずれ退陣するだろうと予想し、シリアがその後、民主化へ移行することへの期待を表明。その場合、軍などの組織維持は重要な要因になるとした。
ブッシュ米前政権がイラク軍事作戦後に実施した同国軍の解体の過ちを再び犯さないことが極めて重要とも主張。このことはシリアが保有する化学兵器の保管問題で特に意味を持ち、シリア軍は保管場所の管理で優れた役目を果たしていると指摘した。
その上で軍がこれら作業を突然放棄したら、化学兵器がレバノンのヒズボラなどシリア周辺地域の過激派に流出することを許す厄災になるだろうとも述べた。
アサド大統領の去就については、統治に問題を抱えていることは十分知っているはずだと強調。退陣は最早時間の問題だとし、「自らと家族の身を守りたいなら、今去るのが良策だと言いたい」と語った。
パネッタ長官は、1週間にわたって中東や北アフリカ諸国を歴訪する予定でチュニジアは最初の訪問国。同国へ向かう機内では同行記者団に対し、訪問国ではいずれもシリア問題が重要な議題になるだろうと説明。現段階で重要なことはシリアに圧力を掛け、反体制派を支援し、避難民に人道援助を提供することだと語った。