シリア最大都市で激しい戦闘続く 全土で死者114人
シリア北部(CNN) 内戦が続くシリアは29日、最大都市アレッポの掌握を目指す反体制派と政府軍の激しい戦闘が続いた。住民は車やバイクなどあらゆる手段を使ってアレッポから脱出。アラブ連盟はアレッポで戦争犯罪が犯されているとの認識を示した。
アレッポでは反体制派の猛攻を受けた政府軍が北部の基地から3方向に向けて砲撃を行い、機関銃を使って激しい銃撃戦を展開した。銃撃は周辺の村にも及び、住宅地にはロケット弾や砲弾が相次ぎ着弾している。
国連のアモス人道問題担当事務次長によると、アレッポと周辺地域からは29日までの2日間で20万人あまりが戦闘を逃れて脱出した。
アラブ連盟のアラビー事務局長は同日の声明で、アレッポ情勢について国連安全保障理事会の緊急会合開催を求める反体制派の訴えを支持すると表明。さらに、アレッポで戦争犯罪が犯されているとの認識を示した。これまでのシリア関連決議で拒否権を行使しているロシアと中国に対しては、アラブ連盟の高官が両国を訪問して姿勢の転換を促すとした。
反体制派の活動家によると、政府軍はアレッポで反体制派が制圧した地域への燃料や食料の供給を阻止しているという。活動家は「アレッポは極めて緊迫した状況にある。(反体制派の)自由シリア軍は激戦に向けた準備を整えている」と語った。