「国務省の体制に欠陥」 リビア米領事館襲撃事件で報告書
ワシントン(CNN) 今年9月11日にリビア東部ベンガジの米領事館が襲撃を受け、駐リビア米大使ら4人が死亡した事件を調べていた独立調査委員会が18日、国務省のシステムや指導、管理体制に欠陥があったとする報告書を発表した。
委員会のメンバーはピカリング元国務次官、マレン前統合参謀本部議長ら。今週調査を完了して報告書をまとめ、17日に1部をクリントン国務長官に送付していた。ピカリング、マレン両氏は19日、上下両院の外交委員会で内容を直接説明する。
報告書は悲劇を招いた原因として予算不足による警備態勢の不備を挙げ、現地から再三にわたって人員増強の要請があったにもかかわらず本国側が応じなかったと批判した。また、現地と本国をつなぐはずだった首都トリポリの大使館も十分な役割を果たしていなかったと指摘した。
さらに、本国から経験の浅い職員が送り込まれては短期間で入れ替わる体制や、現地採用要員の能力不足も問題だったとしている。事件当日、リビア人警備員は欠勤し、地元民兵も持ち場から逃げ出していたという。
ただし、米政府職員に不正行為や職務怠慢はなかったとの判断から、個人に対する処分は求めていない。
報告書は再発防止に向け、警備や防火態勢の改善、危険地域での情報収集活動の強化など24項目を提案。クリントン氏はこれらをすべて受け入れると表明している。