銃免許保持者の実名をネットで公表、NY州の新聞に苦情殺到
(CNN) 米ニューヨーク州の地方紙が、拳銃の免許を持っている住民の実名と住所を記載した地図をウェブサイトに掲載し、読者から苦情が殺到している。
問題の地図は、同州ウェストチェスター郡とロックランド郡を中心に発行されている日刊紙、ジャーナルニュースが22日にサイトに掲載した。地図上の赤い点を拡大すると、両郡で拳銃の免許を持っている住民の情報が参照できる。許可がなくても購入できるライフル銃や散弾銃は対象に含めていない。
同紙によると、地図はコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて掲載した。免許保持者の氏名と住所の情報は、情報公開法に基づく請求で入手したという。地図上に記された住民は、所持を許可されているだけで、実際に持っているとは限らないとも断っている。
これに対して25日までに1300件を超すコメントが殺到。同紙に対する批判が大多数を占め、購読を中止するという声や、「読者がいなくなることを望む」という声もあった。何の連絡もなく自分の情報を公表された数百人の住民はショックを受けている。
この情報が強盗や窃盗などの犯罪に利用されるかもしれないと指摘し、「これで合法的な銃がどこにあるかが誰にでも分かるようになった。犯罪者にとって貴重な情報だ。なぜもっと役に立つことをしないのか。不法な銃がどこにあるかでも突き止めたらどうだ」と手厳しい意見も寄せられた。
こうした批判に対してジャーナルニュース紙は、読者には武器の所持者に関する情報を知る権利があると主張、「自分が住む地域の銃について知りたいと思うのはもっともなことだ」と弁明している。