米動物愛護団体がサーカスに8億円の和解金、「ゾウ虐待」の訴え巡り
(CNN) サーカスのゾウ虐待の訴えをめぐり米連邦裁判所で争われていた2件の裁判で、サーカス運営会社のフェルド・エンターテインメントは28日、大手愛護団体ASPCAとの間で和解が成立し、同団体から和解金930万ドル(約8億円)を受け取ったと発表した。
ASPCAなど複数の愛護団体は、フェルド社が運営するサーカスでゾウが虐待されていると主張して、2000年に同社を提訴。一方、フェルド社は動物愛護団体らを訴訟乱用などで逆提訴し、コロンビア地区連邦地裁で争っていた。
これまでの審理ではサーカスの元従業員も証言に立ち、サーカス側に不利な証言をしていたが、裁判官はこの元従業員が動物愛護活動家から金銭を受け取っていたと認定。証言を採用しなかった経緯があった。
フェルド社はASPCAとの和解を受け、「動物愛護活動家は何十年も前からサーカスで動物が使われることに反対し、我々を攻撃してきた」「今回の和解により、当社の正当性が裏付けられた」と発表した。
一方、ASPCAは和解成立を確認する一方、「一切の責任あるいは不当行為を認めたわけではない」と強調。ゾウ虐待の訴えをめぐる事実関係について、裁判所は判断を示さなかったとしている。和解に至った理由については、「訴訟の費用がかさみ、長期化した状況では、和解するのが最もよいとの結論に達した」と述べた。
ASPCA以外の動物愛護団体らとフェルド社との間の訴訟は今後も継続する。