米航空当局、ボーイング787の運航停止を命令
ワシントン(CNN) 米連邦航空局(FAA)は16日、トラブルが相次いでいるボーイング787型機(ドリームライナー)について、バッテリーの不具合に関連したリスクの解消が確認されるまで、運航を停止するよう航空各社に命じた。各国の航空当局に対しても並行した対応を呼びかけている。
これに先立つ同日午前、乗客乗員129人を乗せた全日空の878型機が、バッテリーの警告表示が出て高松空港に緊急着陸した。これを受けて全日空と日本航空は787型機全機の運航停止を発表。7日には米ボストンの空港でも、駐機中の787型機で電気室から出火するトラブルが起きていた。
FAAは同日夕、「バッテリーの不具合が原因で引火性の電解液が漏れ、熱損傷が起きて煙が発生した」と述べ、原因については現在究明に当たっていると説明。この問題を解決しなければ、「基幹システムと構造がダメージを受け、電気室から出火する恐れがある」とした。
米国の航空会社で同機を運航しているのはユナイテッド航空のみ。同社は16日夕、FAAの命令に従い、同局およびボーイングと緊密に連携して調査に当たると表明した。
787型機は昨年7月以降、燃料漏れをはじめ、オイル漏れ、エンジン部の亀裂、操縦室の窓ガラスのひび割れ、バッテリーの不具合などの問題が相次ぎ、FAAは先週、安全点検の実施を発表していた。