2期目を迎えたオバマ大統領 残された課題と挑戦は
さらに、大統領自身の民主党内部でも、リベラル派がメディケアの大改革には反対しているほか、中間派・保守派が銃規制強化に消極的であるなど、公約リストには、身内からの賛成も得にくい課題が含まれている。
不安定な中東情勢や中国が影響力を強めているアジアの経済・安全保障問題など、外交課題も山積している。
加えて2期目の大統領は、時間との戦いにも直面する。
共和党のストラテジストで、ブッシュ前大統領・チェイニー前副大統領の主席アドバイザーも務めたメアリー・マタリン氏は、ブッシュ・チェイニー政権の2期目での自らの経験も踏まえ、オバマ政権に与えられた、レームダック(死に体)化が真剣に語られるようになるまでの時間は、最長でも1年6カ月だと指摘。2014年の中間選挙や2016年の大統領選挙に向けた予備選挙が影響を与えると説明する。
米国経済の好不調が、大統領がどのくらい重要政策を実現できるのかに最も大きく影響するのは、1期目と同じである。
オバマ大統領の主席アドバイザーのデイビッド・アクセルロッド氏は、教育や科学技術の発展、重要インフラへの投資など、政権1期目から引き継がれ、21世紀の米国経済を左右するような課題が、2期目が成功といえるのかを決定すると主張している。