オバマ米大統領、シリア反体制派への直接支援を承認
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は10日までに、シリア反体制派に殺傷力のない装備などを供与する直接支援案を承認した。米当局者らがCNNに語った。
慎重なペースながら、シリアへの関与を深めようとするオバマ政権の姿勢がうかがえる。米国は先月、反体制派への初の直接支援として、食糧や医薬品などの提供を決めていた。
当局者によれば、この支援案では新たに防護服や暗視装置など、防衛用の装備が提供される見通し。ただ、反体制派側が求める重火器やハイテク装置は含まれていない。国家安全保障会議が先週承認し、来週にも詳細が発表されるという。
オバマ政権の安全保障チームや米議会議員らはこれまで、反体制派内の穏健派の力を強めれば武器を持つ過激派への依存度を抑えられるとして、直接支援の強化を求めてきた。
ケリー国務長官も2月の就任以来、シリアへの積極的な関与を主張。欧州では英仏両国が、反体制派に武器を供与する用意があることを示唆している。
米国はこれまで、国際機関や非政府組織(NGO)を通してシリアに3億8500万ドル(約380億円)の人道支援を実施してきた。武器供与についてオバマ大統領は、送り込んだ武器がテロリストらの手に渡る恐れがあるとして、慎重な立場を貫いている。