米大使館、ツイッターでエジプト政府と応酬 コメディアンの聴取巡り
ワシントン(CNN) エジプトで大統領を風刺した人気コメディアンが取り調べを受けた問題を巡り、短文投稿サイトのツイッターを通じてエジプト大統領府やイスラム与党勢力のムスリム同胞団とやり合っていた在エジプト米大使館が3日、ツイッターフィードを一時的に停止した。
発端は、エジプトのお笑い番組でムルシ大統領の政策や強硬派のイスラム系評論家などを題材にしていた人気コメディアンのバッセム・ユセフ氏が、エジプト当局の取り調べを受け、イスラム教とムルシ大統領を冒涜(ぼうとく)したとして罰金を科せられたことだった。
米国の人気コメディアンが自分の番組でこの問題に絡めてムルシ大統領をからかい、エジプトの風刺家を検挙するのは非民主的だと批判。その番組へのリンクが、在エジプト米大使館のツイッターアカウント「@USEmbassyCairo」に掲載された。
これに対してエジプト大統領府はツイッターの公式アカウントを通じ、「外交使節がこのようにネガティブな政治キャンペーンにかかわるのは不適切だ」と不快感を示した。
ムスリム同胞団系の自由公正党も2日のツイートで、「@USEmbassyCairoがまた非外交的かつ愚かな行動。捜査中の事件で一方の肩を持ち、エジプトの法と文化を無視した」とかみついた。
米国務省は在エジプト大使館のツイッターフィード閉鎖について、パターソン駐エジプト大使が国務省に相談なくやったことだと説明。国務省は同大使館に対し、エジプトに屈服したように思われるのを避けるため、問題のページを復活させるよう求めたという。
国務省のヌーランド報道官によれば、大使館のツイッターフィードは復活したが、問題のツイートは削除された。「そもそもこれをツイートしたこと自体、投稿管理規程に沿っていなかった」と判断したという。