米海兵隊、有事即応部隊をスペインに配備 アフリカにらむ
(CNN) 米国防総省当局者は28日までに、アフリカ地域で米国民や政府職員、施設への脅威が生じた場合、これに対処する米海兵隊500人から成る有事即応部隊のスペインへの配備が始まったことを明らかにした。
第1陣が今月24日、出動拠点となる同国南部のモロン空軍基地に到着した。特に北アフリカ地域で有事が発生した場合、地理的に近い同基地からの迅速な対応が可能となる。部隊の500人態勢は今後1カ月内に実現する見通し。
北アフリカでは最近、治安情勢の悪化が目立ち、リビア東部ベンガジでは昨年9月、米総領事館が武装勢力に襲われ、スティーブンス大使を含む米国人4人が殺害される事件が起きた。
スペイン配備が始まった有事即応部隊の活動が本格化すれば、出動命令から6時間内に空輸出来る態勢を整える。米外交公館の警備の在り方が論議を招いたベンガジの事件発生時にはこの種の速やかな対応が出来なかったという。
米国防総省当局者によると、有事即応部隊の主要任務は、脅威にさらされる大使館や外交公館の防護、米国民保護、墜落機の操縦士救出、米国民退避の際の軍事支援など。隊員500人は、機関銃や迫撃砲などで武装する地上戦闘部隊や諜報(ちょうほう)、通信担当の計225人、新型輸送機オスプレイ6機とC130空中給油機2機の操縦や管理に当たる計225人などから成る。
スペイン政府は19日に有事即応部隊のモロン基地駐屯(ちゅうとん)を承認していた。
米国防総省当局者は、同部隊は戦闘状態にある地域への投入に備えており、必要な場合は地方政府の承認なしで展開する事態も有り得るとの見方を示した。
ベンガジでの事件などを受け米海兵隊は大使館警護の態勢を強化。1000人を増員すると共に、危険度が高い国では人員を倍増した。また、大使館が危機に直面した場合、防御支援のために素早く派遣出来る特殊チーム100人を米国内に待機させている。