米FBIの重要手配テロ犯に初の女性、「黒人解放軍」に参加
(CNN) 米連邦捜査局(FBI)は4日までに、東部ニュージャージー州の高速道路で1973年に起きた州警官殺害事件で有罪判決を受け、収監先の刑務所から脱獄していたジョアン・チェシマード容疑者(65)を最重要手配のテロリストに指定したと発表した。
このリストに女性が入るのは史上初めて。同容疑者は脱獄から5年後の84年にキューバに渡り、現在は同国で自由な生活を送っているという。FBIの声明によると、キューバでは政府の催し物にも参加し、一般のキューバ国民より恵まれた生活水準にあるという。
FBIとニュージャージー州政府はチェシマード容疑者の拘束や米国への身柄送還につながる有力情報の提供にそれぞれ100万ドル(約9900万円)の報奨金を約束している。
同容疑者はアフリカ系(黒人)米国人の解放運動組織「ブラックパンサー党」や1970年代に最も強硬な武装組織の1つとされた「黒人解放軍」のメンバーだった。黒人解放運動の同調者に今なお精神的な影響を与えているともされる。容疑者は歌の題材になったこともある。
黒人解放軍は米国全土で複数の警官を殺害するなどの武装闘争を展開した。FBIによると、チェシマード容疑者を含む3人は73年5月2日、ニュージャージー州の高速道路で車両違反容疑で車を止められた際、州警察警官2人に発砲。銃撃戦となった際、警官1人が至近距離から処刑のような手口で撃たれ、殉職していた。
同容疑者はその後、捕まり収監されたが、1979年に過激派集団などが刑務所を武装襲撃した際に脱獄していた。