オバマ氏、射殺の黒人少年は「35年前の自分だったかも」
フロリダ州での判決を受け、全米各地では人種差別などに反発する抗議が起き、一部では暴力沙汰に発展していた。
オバマ大統領は判決後、声明を発表し、陪審の判断を尊重するとし、平静と熟慮を呼び掛けていた。ただ、米国初の黒人大統領だけに、判決内容について積極的に発言すべきとの声も出ていた。
フロリダ州での事件は昨年2月に発生し、黒人少年のトレイボン・マーティンさんを射殺し、殺人罪に問われた自警団団員だったジョージ・ジマーマン元被告は裁判で、自らをヒスパニックと名乗っていた。
公判では、元被告は黒人少年に対する人種的偏見があるとの批判もあったが、弁護士はこれを否定していた。
オバマ氏は19日の会見で、無罪となった元被告をヘイトクライム(憎悪犯罪)の連邦法で裁くべきだとする公民権保護団体の要求に触れ、フロリダ州の司法制度下で陪審が決定したことだとその正当性に言及。米国の治安維持や刑法は伝統的に連邦レベルでなく、州や地方自治体が責任を持つとも諭した。