米上院、債務上限引き上げ案を可決 デフォルト回避へ
ワシントン(CNN) 米議会上院は16日(日本時間17日)、米政府の債務(借金)上限の引き上げを巡る問題で、債務上限の引き上げを盛り込んだ法案を81対18の賛成多数で可決した。法案は野党・共和党が過半数を占める下院へ送られるが、可決される公算が大きく、米政府の債務不履行(デフォルト)が回避される見通しになった。下院で可決されれば、オバマ大統領が署名し法案が成立する。
リード氏は採決に先立ち、上院本会議で「今日、政府を再開するために、議会は超党派で歴史的な合意をした」と話した。
米上院指導部は16日、政府機関の一部閉鎖解除とデフォルト回避に向けた与野党の合意が成立したと発表した。野党共和党のベイナー下院議長は同日、超党派案を支持するよう同僚議員に呼びかけた。
ベイナー議長は地元オハイオ州でラジオ放送局の取材に対し、「我々はよく戦った。ただ勝利はしなかった」と語った。
オバマ大統領の医療保険改革法(通称・オバマケア)に反対する保守系議員の抵抗も予想されたが、その先頭に立ってきた共和党のクルーズ上院議員は妥協案を批判しながらも、議事進行を妨げるような行動には出なかった。
ベイナー議長も「上院で成立した超党派の合意を阻止する戦術は取らない」と表明。ただし「大統領の医療保険改革法を食い止めるための行動は続ける」と強調した。
オバマ大統領は上院での妥協案成立を歓迎し、議会に対して法案を迅速に通過させるよう促していた。
民主党のリード上院院内総務によると、与野党間の協議では、来年1月15日までの予算を編成して一部閉鎖している政府機関を再開させ、債務上限については2月7日まで引き上げを認める案が検討されていた。議会関係者によれば、政府機関閉鎖中の職員の給与をさかのぼって支払う条項も盛り込まれた。