学生を癒やすセラピー犬、米で導入する大学が増加
実際に、犬と触れ合うと、不安を和らげ血圧を下げる効果があるとされるホルモン、オキシトシンの濃度が高まるという研究結果もある。犬をなでたりペットの相手をしたりすると、不安が薄れて安心感が高まり、恐怖や不安から関心が遠のく効果があるという。
また、過度のストレスは記憶力の妨げになるという研究結果もあり、ひと時でもそうしたストレスを和らげることができれば、学習能力の向上も期待できる。
エモリー大学は、ほかの大学からの紹介で昨年からセラピー犬を導入したといい、「犬と触れ合うためにやってきた学生の数の多さに驚いた」と図書館司書は振り返る。
この日の担当は、まだ幼い大型犬の「ウェスリー」。女子学生3人になでられると目を閉じて、くつろいだ様子を見せる。学生は「まさにこれが必要だった」と目を細めた。
犬たちは訓練を受けて90種類ほどの命令を覚え、セラピー犬と認定される。掃除機やプリンターなどの音にも驚かず、階段はゆっくり歩くなどの訓練を受けているという。
10分間の制限時間終了を告げられた学生は、犬に向かって「どうもありがとう。最高の薬になったよ」と優しく声をかけていた。