精神科医に聞く不安への対処法
(CNN) 現代社会において慢性的な不安症状に悩まされている人は多い。不安を解消するために酒を飲む人もいれば、米国の一部の州で使用が認められたマリフアナ(乾燥大麻)に依存する人もいる。米アリゾナ大学准教授の精神科医チャールズ・レーソン博士が医学的な見地から、CNN読者から寄せられた不安障害やうつ病対策に関する質問に答える。
質問:不安に対処する上で、飲酒やマリフアナの使用は効果があるか。注意すべき点は何か。
レーソン博士:アルコールやマリフアナを日常的に摂取していると、不安障害やうつ病発症のリスクが高まるというのが、多くの研究の示唆するところだ。思春期に日常的にマリフアナを吸引していると、統合失調症など重い精神疾患を発症するリスク要因にもなりうる。飲酒の危険性については昔から指摘されてきた通りだ。
こうした留保を踏まえた上で言えば、マリフアナに含まれる化学物質は体の痛みを和らげるのに有望とされている。また脳内のカンナビノイド受容体に作用し、精神状態を変えることが明らかになってきた。いわゆる「ランナーズ・ハイ」に似た状態だ。
経験豊富な精神科医の話として、抗うつ剤が効かない重いうつ病患者に少量のマリフアナを使用したところ改善がみられたという報告もある。