血液検査で自殺を予防? 米研究
(CNN) 血液検査をするだけで、自殺を考えたことがある人や自殺未遂の経験がある人を高い確率で言い当てることができるという研究結果を、米ジョンズホプキンス大学医学部の研究チームが発表した。
研究チームは脳のストレス抑制を助ける作用があるとされる遺伝子「SKA2」に着目し、血液サンプルを使ってこの遺伝子に含まれる特定の化学物質の量を調べた。
SKA2は、マイナス思考や衝動的な行動を抑制する脳の部位に作用するといわれる。この遺伝子に異常があると、ストレスに反応して体内で生成される多量のホルモンをうまく抑制できなくなると考えられる。
自殺した人はこの化学物質の脳内の値が高いことから、研究チームはこの物質と自殺との間に注目した。実験では80%の確率で、自殺を考えたことがある人や自殺未遂の経験がある人を言い当てたという。
研究をまとめたジョンズホプキンス大のザカリー・カミンスキ准教授は、「こうした人たちを見つけ出して早い段階で防止策を講じれば、自殺率を減らせるかもしれない」と予想する。
ただし血液検査で自殺の危険を予知できるようになるまでには、少なくともあと5~10年はかかる見通しだ。