米カンザスの銃撃事件、容疑者は反ユダヤ主義者

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ユダヤ系施設銃撃、容疑者は反ユダヤ主義者

(CNN) 米カンザス州カンザスシティー近郊のユダヤ教施設2カ所での銃撃事件で逮捕された容疑者の男は、極端な反ユダヤ主義活動家だったことが15日までに分かった。

警察によると、フレージャー・グレン・クロス容疑者(73)は13日、同州オーバーランドパークにあるユダヤ系コミュニティーセンターの駐車場で14歳の少年と祖父を射殺し、さらに近くの高齢者介護施設の駐車場で女性1人を殺害したとして、計画的殺人の容疑で逮捕された。

同容疑者は1980年代に2つの白人至上主義団体を設立し、黒人への嫌がらせを繰り返したとして、憎悪犯罪の問題に取り組む非営利組織(NPO)南部貧困法律センター(SPLC)に訴えられたことがある。80年代末には、SPLC設立者の殺害を企てたとして3年間収監された。近年はインターネット上などで極端な反ユダヤ主義を唱えていた。

地元テレビ局の映像には、現場近くの小学校で逮捕されたクロス容疑者がパトカーの後部座席から「ヒトラー万歳」と叫ぶ姿が映っていた。

警察は、容疑者の逮捕後の供述などを詳しく調べている。オーバーランドパーク警察の責任者は14日の記者会見で、差別感情に基づく憎悪犯罪だったとの見方を示した。連邦法上の憎悪犯罪で有罪となった場合、死刑を言い渡される可能性がある。

米国のユダヤ系団体は、14日にユダヤ教の祝日「過ぎ越しの祭」が始まり、20日がヒトラーの誕生日に当たることから、ユダヤ教会やコミュニティー施設への攻撃が増える恐れがあると警戒を呼び掛けていた。

死亡した少年は、歌唱コンテストのオーディションに出場するため祖父の車でセンターを訪れていた。祖父は現役の医師で、2人ともキリスト教徒だった。

介護施設の駐車場で撃たれた女性は入居中の母親を毎週末見舞っていた。視覚障害児の施設で作業療法士を務め、キリスト教のカトリック教会に所属していた。

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