元米大統領の恋文、100年を経て公開へ
同氏は同じ手紙の中で、2人の関係が公になることに強い不安を示し、「あなたに送った手紙をすべて焼いてほしい」と訴えていた。フィリップスさんはこれを聞き入れず、手紙を保管し続けたとみられる。
ローベナルト氏はCNNとのインタビューで「どれも実に生々しいラブレターだ」と話し、「100年前の人々は性的な空想にふけることなどなかったと思っている人もいるが、もしそれが事実ならわれわれ子孫は生まれていないはず」と指摘した。
熱烈な文面の裏には、第1次世界大戦の前夜という時代背景があった。米国が参戦するかどうかを巡り、フィリップスさんはドイツ寄り、ハーディング氏は米国寄りの立場から議論していたことがうかがえる。
ローベナルト氏は著書の中で、フィリップスさんがドイツのスパイとして活動していた可能性を指摘。開戦が迫るなかでハーディング氏が16年大統領選への出馬を見送ったのは、フィリップスさんの影響を受けたからではないかとの説も展開している。
ハーディング氏は15年に上院議員に当選し、2人の関係は20年の大統領選を前に終わりを告げた。ハーディング大統領は、在任中の23年に病死した。