9歳少女、脳をむしばむアメーバで死亡 米カンザス州
(CNN) 米カンザス州で、脳をむしばむ病原性アメーバ「ネグレリア・フォーレリ」に9歳の少女が感染して死亡したことが16日までに分かった。州当局は、淡水で泳ぐ際には注意するよう呼びかけている。
亡くなったハリー・ユストさんは水上スキーが得意で、この数週間は湖などでスキーや水泳を楽しんでいたという。ネグレリア・フォーレリに感染して先週死亡し、14日に葬儀が営まれた。遺族は追悼のため、カンザス州立大学に「ハリー・ユスト女子バスケットボール奨学金」を創設すると発表した。
ネグレリア・フォーレリは水温が高く流れのない淡水に発生する。専門家によると、人体へは鼻から入って脳の周りの中枢神経に到達。感染から約5日で頭痛や発熱、嘔吐(おうと)などの症状が現れ、多くの場合、死に至る。
症例は淡水で泳ぐ人が増える夏に多く報告され、米国では昨年夏にもフロリダ州で12歳の少女が感染して死亡している。アーカンソー州で感染した少女は一命を取りとめた。
過去50年の間に米国で感染が確認された約130人のうち、命が助かったのはアーカンソー州の少女を含む3人にとどまる。
ただし感染は極めてまれで、同じ水で同時に大勢が泳いでも、特定の人だけが感染する理由は分かっていない。
カンザス州当局は、淡水で泳ぐ時には鼻をはさむノーズクリップを使用し、浅い水底の堆積(たいせき)物を巻き上げたりしないよう勧告。温泉など水温が高い所には顔をつけないよう呼びかけている。