オバマ米大統領演説、シリアに空爆拡大へ
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は10日夜のテレビ演説で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(ISIS、ISIL)」に対する空爆について「イラクだけでなくシリアでもISILに対して行動することを辞さない。米国を脅かす者に安全地帯はない」と述べ、イラクで行っている空爆をシリアに拡大する方針を表明した。
大統領は「我々の空軍力と地上部隊への支援を行使して、すべての存在場所からISILを排除するため、一貫した情け容赦ない対テロ作戦を敢行する」と強調。さらに、イラクに派遣する米軍要員を475人増やして1700人を超す陣容にすると発表した。
ただし、「米国の戦闘部隊は外国での地上戦に関与させない」と言明。「だが訓練や情報収集、装備についてイラクとクルド人部隊を支援する必要がある」との認識を示した。
北部でISISと戦っているクルド人部隊を含むイラク軍には2500万ドルの軍事援助を行うと述べ、「我々の目標は明らかだ。包括的な一貫した対テロ戦略を通じてISILの勢力をそぎ、いずれは壊滅させる」と力説した。
シリアのISIS空爆のタイミングについて、米政府高官はオバマ大統領の演説を前に記者団に対し、「我々が選んだ時と場所」で行うと述べた。