クルーズ船で米病院職員を隔離 エボラ検体に接触の恐れ
(CNN) 米テキサス州ダラスの病院でエボラ出血熱患者の検体に接触した可能性のある女性職員が、カリブ海クルーズ船に乗って旅行していることが分かった。職員は船上で隔離された。
同病院では今月8日、米国滞在中に発症したリベリア人患者が死亡した。この患者の治療にかかわったスタッフ76人が経過観察の対象となっている。これまでに看護師2人の感染が確認された。
米国務省が17日に発表したところによると、クルーズ船上の職員は検査部門の責任者。同日の時点で、検体を扱った可能性のある日から19日が経過したが、症状は出ていない。エボラ熱に感染してから発症するまでの潜伏期間は最長で21日間とされる。
国務省報道官によれば、当初はこの職員をカリブ海に面した中米ベリーズに上陸させ、空路米国へ運ぶ計画だったが、ベリーズ政府が感染拡大への懸念からこれを拒否した。ケリー米国務長官がバロー・ベリーズ首相に直接依頼したものの断られたという。クルーズ船は職員を乗せたまま、帰着予定地のテキサス州ガルベストンへ向かっている。
ケリー長官は「現状に適切に対処しなければ、エボラ熱はエイズやポリオと同様、人類全体が何十年も闘い続ける災禍となるだろう」と述べた。