二つの司法制度――格差広がる米国
(CNN) 米ミズーリ州ファーガソンで黒人少年マイケル・ブラウンさん(当時18)が警官に射殺され、ニューヨーク市スタテン島では黒人男性エリック・ガーナーさん(当時43)が警官に首を絞められて死亡した。
白人警官が黒人男性を死亡させる事件が相次いだことで、米国内に波紋が拡大。全米で暴動や抗議運動が起こる事態に発展し、刑事司法制度のあり方について疑問を投げかける声が強まっている。
事態を憂慮しているのは米国人だけではない。国連はこのほど、拷問禁止委員会の報告書という形で米国の現状に警鐘を鳴らした。同委員会を管轄する国連人権高等弁務官は、ファーガソンでの1件について個別に論評するのは時期尚早だとしながらも、報告書内で、「武器を持たない黒人に対して警官が発砲したり、死に至るまで追い詰めたりする事例が頻発していることへの深い懸念」を表明している。
これをさらに掘り下げてみると、「深い懸念」という国連の外交的な表現には収まらない問題が浮かび上がる。