カーター元米大統領、脳に悪性腫瘍 記者会見で発表
ワシントン(CNN) ジミー・カーター元米大統領(90)は20日、米アトランタのカーターセンターで記者会見して、脳の4カ所に進行性のメラノーマ(悪性黒色腫)があると診断されたことを明らかにした。
医師から診断について聞かされた時の気持ちについてカーター氏は、あと数週間しか生きられないと思ったにもかかわらず、「驚くほど穏やかな気持ち」だったと振り返り、エモリー大学の医師団を信頼していると語った。
カーター氏は今月3日、肝臓の一部を切除する手術を受けた。その後、この手術で見つかったがんがメラノーマだったことが判明。磁気共鳴断層撮影(MRI)検査の結果、脳の4カ所にメラノーマが見つかったという。大きさは2ミリほどだった。
第4段階のメラノーマは、皮膚の色素を生成する細胞にできたがんが、体の他の部位に転移した状態を指す。20日午後には1回目の放射線治療を予定している。
記者会見でカーター氏は、今後のことは「神の手に委ねる」と語り、現在は医師の勧めに従っていると説明した。
気分は「良好」としながらも、「これからどうなるのかは本当に予想できない。全面的に主治医に委ねるほかはない」と打ち明けた。カーターセンターでの勤務や、教授を務めるエモリー大学での勤務は減らす予定だという。
同氏は1976年の選挙で選出されて39代目の米大統領に就任。80年の選挙でロナルド・レーガン氏に敗れた。同氏の家系は膵臓(すいぞう)がんが多く、父親やきょうだい3人も膵臓がんで命を落としている。