米国のイスラム教徒への嫌がらせ激増、ホットライン報告

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ニューヨーク(CNNMoney) 悩み事などの相談に応じる米国の非営利団体「クライシス・テキスト・ライン」は10日までに、いじめや嫌がらせの被害を訴えるイスラム教徒の書き込みが11月に顕著に増え、12月に入ってもその傾向が続いていると報告した。

パリで起きた同時多発テロ事件や米カリフォルニア州サンバーナディノで発生した銃乱射事件などが反映している可能性がある。米国では最近、来年の米大統領選の共和党候補指名者争いに出馬した実業家ドナルド・トランプ氏が「イスラム教徒の入国禁止」の強硬論を主張し物議を醸しているが、嫌がらせ相談の増加と関係があるのかは不明。

2年前にサイトなどを開設したクライシス・テキスト・ラインは、文字通信での「ホットライン」で悩み事などを匿名で打ち明け、カウンセラーから助言を受ける仕組みとなっている。利用者の年齢は圧倒的に10代が多いという。

同団体によると、チャットでのやりとりで「イスラム教徒」の文字で検索にかけて月間の相談件数を調べたところ、11月に劇的に増えていることを発見。大半はイスラム教徒と名乗る利用者による嫌がらせ被害の訴えだったという。以前の月間数字と比べ6.6倍前後多かった。

12月になってもこの傾向は続き、同月の最初の8日間での発見例は既に10月全体の数字ほどに匹敵したという。

イスラム教徒と名乗る利用者の相談件数の詳細は、秘匿の原則を理由に拒否している。

ただ、同ラインの創設者は2日、フェイスブック上で「(トランプ氏のような)政治的な威嚇の戦術は一般的な米国人に現実的な影響を及ぼしている」と批判をにじませて書き込んだ。

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