通勤列車が勝手に走行、運転士なしで4駅通過 米ボストン
(CNN) 米ボストンで通勤列車が運転士を乗せずに走り出し、50人あまりの乗客を乗せたまま数駅を通過するハプニングが起きた。当局が10日に記者会見して明らかにした。
マサチューセッツ州のベイカー知事によると、現地時間の午前6時過ぎ、マサチューセッツ湾交通局(MBTA)の地下鉄がボストン南部のブレインツリー駅で信号トラブルに見舞われ、運転士が列車から降りて点検を行った。
ところが手違いで列車が発進してしまい、そのまま約8キロ走行。異常に気付いた係員が電源を落とし、数分後に列車を停止させた。列車は4駅を通過して、ノースクインシー駅を過ぎたところで止まった。
この列車に乗っていた乗客はCNN系列局のWHDHに対し、電気が消えて列車が止まり、先頭車両の乗客が運転室の扉をたたいたが返事はなかったと話している。
乗客たちは非常ボタンを押したり扉を開けようとしたりしたといい、「何が起きたのか分からなかった。窓ガラスを破って脱出しようとする人たちもいた」という。
間もなく係員が列車に乗り込んで次の駅まで走らせ、そこで乗客を降ろした。
ブレインツリー駅で降りた運転士は、走り出した列車に当たって軽傷を負った。乗客にけがはなかった。
当局は運転士の人為ミスだった可能性もあると見て、定められた手順が守られていたかどうか調査している。運転士は休職となり、交通警察も捜査に乗り出した。