米民主党候補者討論会 矛先は共和党トランプ氏に
民主党支持の聴衆を前にクリントン氏は、「私たちが成し遂げた進歩を共和党が後戻りさせる事態は阻止しなければならない」と強調。「共和党は医療保険改革法を進展させるどころか廃止に追い込み、中堅層ではなく超富裕層や企業の税金をさらに優遇し、テロを非難する一方で搭乗拒否リストに記載された人物が銃を買うことを許し続けるだろう」と力説した。
大学の学費や学生ローンの負債、司法制度改革、警察の黒人に対する対応といった問題も討論のテーマになった。これはクリントン、オバマ両氏が激突した8年前の選挙戦では見られない傾向だった。左派系の進歩主義に傾くこうした傾向が本選にどう影響するかはまだ未知数だ。
「フォースが共にありますように」。クリントン氏はこの言葉で発言を締めくくった。実はその1時間ほど前、謎のフォースが作用する一幕が起きていた。
CMをはさんで再びテレビ画面に映し出された会場に、クリントン氏の姿はなかった。司会者がそのまま質問を始めたところへ、クリントン氏が30秒ほど遅れて「ソーリー」と笑いながら登場。不満そうだった聴衆はホッとした様子だった。