米ホワイトハウス、中国対応で政府内の見解相違の露呈を懸念か
(CNN) 米軍の幹部司令官らの間で南シナ海での中国の活動について公に論じるのを控える動きがあることが分かった。国防関連の複数の当局者が8日、CNNに明かした。
当局者らは公式の「かん口令」が敷かれているわけではないとしつつも、ホワイトハウスがこの問題に関する国防総省と国家安全保障会議(NSC)の間の見解の違いが露呈するのを避けようとしていると語った。特に、先週行われた核保安サミットへの中国の習近平(シーチンピン)国家主席のワシントン訪問が控えていた時期を意識していたという。
政府高官は取材に対し、当局者らの口を封じる動きがあったことを否定し、単に関係機関の間で意見の調整をはかっただけだと主張。「こうした重要事項について、われわれが意見を調整しているのは周知の事実だ」「見解の一貫性を保つ取り組みと『かん口令』は全く違う」としている。
当局者によれば、米軍の幹部司令官らは私的な発言で、南シナ海で領有権の主張を強める中国に対し、米海軍が人工島付近でより強硬な対応に出ることなどを提唱。ホワイトハウスの方針と異なる見解を口にしているという。
ただ、当局者の1人はこうした見解の相違について「健全なもの」と述べ、米軍とNSCやホワイトハウスとの関係が悪化していることを示唆するものではないとしている。
米太平洋軍のハリス司令官は声明を出し、「米太平洋軍とホワイトハウスの間にすれ違いがあるとする主張はいずれも真実ではない。大統領や国防長官との機密協議で私が行っている私的な助言は、私的でなければ価値がなくなる。この信頼関係を維持するのが、軍幹部がわれわれの助言を公に論じない理由だ」と述べた。