米民主クリントン氏、代議員過半数獲得も前途は多難か
クリントン氏はトランプ氏のビジネス歴や人格、選挙の戦い方を批判し、大統領にふさわしくないと訴えてきた。一方トランプ氏は、クリントン氏をうそつきと非難し、信頼できない人物だと主張する。
クリントン氏はトランプ氏との対決を視野に入れながら、党の態勢を立て直すという課題にも取り組む必要がある。これまで指名を争ってきたライバルのバーニー・サンダース上院議員は当初こそ泡沫候補とみられていたが、党主流派に挑んだ戦いぶりが党内の進歩派から大きな支持を集めた。7日の予備選・党員集会を前に、党大会まで戦い続ける意向を改めて表明している。
サンダース氏は計算上、もはや勝ち目がないとされる。だがサンダース陣営の責任者は6日の声明で、「民主党全国委員会は、党大会当日の投票まで特別代議員の人数を計算に入れるべきではないと明言している。メディアが結論を急ぐあまり、これを無視しているのは残念なことだ」とコメント。特別代議員は予備選・党員集会の結果に縛られず自由に投票できる点を強調し、党大会までの間に鞍替えすることもあり得ると指摘した。
クリントン氏は1969年にウェルズリー大学の卒業生総代を務め、進学したエール大学法科大学院の図書館で夫となるクリントン元大統領と出会った。90年代にファーストレディーの立場から政治にかかわって賛否両論を巻き起こした頃、同氏がやがて党の大統領候補になるとはだれも想像していなかった。
大統領候補としての経歴は突出している。大統領職の現実を夫のかたわらから、過去のどんな候補者よりも間近で見つめた経験を持つ。信じがたいほどのしなやかさで数々の危機を乗り越えてきたし、政策に関する見識の高さもよく知られている。