米民主クリントン氏、代議員過半数獲得も前途は多難か
(CNN) 米大統領選に向けた民主党の指名争いで、ヒラリー・クリントン前国務長官の指名獲得が確実になった。だが同氏にとって、この先に控えるホワイトハウスへの道は決して平たんとはいえない。
CNNの集計によると、クリントン氏は6日のプエルトリコ予備選を制した時点で一般代議員1812人と、連邦議会議員や党幹部らで構成される特別代議員572人を確保。合計すると、指名獲得に必要な2383人の過半数ラインを1人上回った。
7日には大票田カリフォルニア、ニュージャージーなど6州での予備戦・党員集会で、さらに代議員数を増やす見通し。米国で女性が主要政党の大統領候補になるのは史上初めてだ。
クリントン氏は6日、カリフォルニア州ロングビーチの集会で「私たちは歴史的な、前代未聞の瞬間を迎えようとしている」と述べる一方、「まだやるべき仕事がある。明日の6州でも1票1票のために精一杯戦う」と宣言した。
女性の社会進出を阻む目に見えない障害は「ガラスの天井」と呼ばれる。クリントン氏は8年前、オバマ現大統領との指名争いに敗れ、「最も高い所にある、最も硬いガラスの天井」を砕くことができなかったと嘆いた。来月開かれる民主党全国大会ではついに天井を打ち破り、共和党候補に確定している実業家ドナルド・トランプ氏と本選で対決することになりそうだ。そしてその対決は、米大統領選史上最も醜い争いのひとつになるとの見方が強まっている。