リビアでの対ISIS戦略、「理にかなわず」 米軍将官が批判
グラハム氏は公聴会の最後、現状にはっきりと異を唱えたワルドハウザー氏の姿勢を高く評価し、「当委員会でこれほど率直な証言を聞いたことはなかった」と称賛した。マケイン氏も「あなたとともに仕事をすることを楽しみにしている」と語った。
リビアでの空爆をめぐっては、国防総省のクック報道官が同日の会見で「軍事攻撃の決断を気軽に下すことはない」と強調。米軍がリビアでISISの幹部らを空爆したことはこれまでもあり、いずれは再開するつもりだと述べた。そのうえで、同国は現在、政権確立に向けて前進している最中だと指摘した。
米軍に全体的な大戦略がないとの見解に対しても、リビアが今「複雑な状況」にあることは明らかだと語り、政権の確立を最優先するべきだとの考えを示した。
国防総省はリビアに小規模な特殊部隊を送り込み、ISISに対抗する地元勢力との関係構築を図ってきたことを認めている。2月には数回にわたって空爆を実施し、ISISの戦闘員40人以上を殺害した。
リビアでは最近、国連の後押しを受けて「国民合意政府」が結成され、3月末には首都トリポリに入った。西部ミスラタを拠点とする政府系の民兵組織は最近、ISISを中部シルトの拠点から追放する作戦を成功させている。
米中央情報局(CIA)のブレナン長官が先週、議会で語ったところによると、リビアには現在、約5000~8000人のISIS戦闘員がいると推定される。