共和党候補の人柄に軍配 副大統領候補討論会、5つのポイント
トランプ氏は先週、自身がクリントン氏と対決した討論会の報道にも不満を示していた。同氏の長年の友人は、「クリントン氏とペンス氏のほうがトランプ氏より討論に強いという評価を、本人が聞いたら気分を害するだろう」と心配顔で語った。
ただ、ペンス氏の弁舌が完璧だったわけではない。メキシコからの移民を「強姦(ごうかん)犯」「犯罪者」と呼んだトランプ氏の発言をケーン氏が非難した時、ペンス氏は「またメキシコの話を持ち出す」と不満を漏らした。この態度は人種的少数派の反感を買った可能性がある。
(5)副大統領候補自身の話は素通り
副大統領候補による討論会は、いわば代理戦争。本当の主役は大統領候補だ。ペンス氏とケーン氏自身の政治家としての経歴は全く話題に上らず、司会者からの問題提起もなかった。
実は両氏とも、環太平洋経済連携協定(TPP)をもともと支持していたが、トランプ、クリントン各氏の立場に合わせて反対に転じた経緯がある。それぞれの方向転換について、詳しい説明は今のところない。
ペンス氏が最近署名したインディアナ州の「宗教の自由法」は、性的少数者を差別する内容が含まれているとして物議を醸したが、この問題については司会者からもケーン氏からも質問がなかった。
この日の討論会は、今年の大統領選がほかのだれでもなくクリントン、トランプ両氏という大物2人の対決だということを改めて示す結果となった。両氏による第2回テレビ討論会は現地時間9日夜に予定されている。