共和党候補の人柄に軍配 副大統領候補討論会、5つのポイント
ペンス氏はシリア情勢をめぐり、ロシアがアサド政権への支援をやめないなら米国が同政権に対して軍事力を行使する覚悟を決めるべきだと主張。さらに「シリアの避難民を守るため、米国はただちに飛行禁止区域を設定するべき」との考えを示した。トランプ氏は飛行禁止区域を支持する一方、その設定と運用は中東諸国が担うべきだと強調している。
外交政策でトランプ氏とペンス氏の意見が大きく異なっているという事実は、これをきっかけに重要な問題として取り上げられる可能性がある。
(4)挑発に乗らなかったペンス氏
トランプ氏が先週の討論会で民主党の大統領候補ヒラリー・クリントン氏の挑発に乗った姿とは対照的に、ペンス氏は自制的な態度を貫いた。
ケーン氏が連発するトランプ氏への非難をペンス氏は一蹴(いっしゅう)し、すかさず次の話題に移ってクリントン氏に矛先を向けた。トランプ氏の問題発言が指摘されても直接反論することは避け、視聴者がケーン氏の狙い通りこうした発言に思いをめぐらすすきを与えなかった。
ペンス氏が討論会で株を上げたことは確かだが、これがトランプ氏の支持率向上につながるかどうかは必ずしも明らかでない。
討論会の終了後、ソーシャルメディア上では「ペンス氏は2020年大統領選に向けてデビューを果たした」との声も飛び交った。ペンス氏はクリントン氏への攻撃に力を注いだが、その一方でトランプ氏に対するケーン氏の攻撃には反論せず、これらの批判から生じる問題の解決を図ろうとはしなかった。
トランプ陣営のある幹部はこう語る。「ペンス氏は討論会に勝ったもののトランプ氏を擁護したとはいえないと、メディアは報じている。トランプ氏はこれを快く思っていない」