米政府、比大統領の「決別」宣言に強く反発 説明要求
ワシントン(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領が中国訪問中に米国との「離別」を宣言した問題で米ホワイトハウスのアーネスト報道官は21日、不快感や混乱を招く個人的な言動と反発した。
その言動の意味合いを明確にしていないとも批判。在比の米国大使館の報道担当者も両国関係に必要ない不確実性をもたらすものと反論。最近目立つこの種の問題発言は米比が育んできた重要な友好関係に間違いなく背反すると主張した。
ドゥテルテ氏は大統領就任後、軍事や経済面などで反米姿勢を強くにじませる発言を繰り返し、オバマ大統領を痛罵(つうば)もしていた。これに対し米政府は外交的配慮などから模様見の姿勢を示してきたが、同報道官による今回の異例な強い調子での反ばくはドゥテルテ大統領への不信感を露わにした格好となっている。
フィリピンが仮に過去70年間、同盟関係を維持してきた米国から離反した場合、オバマ政権が構築を進める軍事協力面などでのアジア太平洋重視の政策は大きな変質を強いられる可能性がある。米国は中国が強引な海洋進出を図る南シナ海の領有権問題でフィリピンに大きな役割を期待してもいる。
一方、米国務省のカービー報道官はドゥテルテ氏の今回の言動に関連してフィリピン政府に説明を求める考えを表明。また、ラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が21日、フィリピンに向かう予定となっている。同国訪問は以前から決まっていたとしているが、ドゥテルテ大統領の一連の発言の真意を探る機会になるともみられる。