次の戦場は宇宙、米軍が準備加速 衛星に迫る中ロの脅威
地球から約160キロ上空にある国際宇宙ステーション(ISS)の軌道から、GPS衛星がある約2万キロの軌道、そして軍の通信や核攻撃の早期警戒警報を担う米国家安全保障上最も重要な衛星のある3万5400キロの軌道。そのいずれの軌道でも、近いうちに敵国が米国の衛星を脅かすようになるとハイテン氏は予想する。
そうした事態に備えて新設された米宇宙軍は人員数3万8000人、年間予算は89億ドル(約9970億円)、世界各国に134の拠点を持つ。
このうち第50宇宙航空団では8000人が米国と外国の軍事衛星を監視する。今のところ任務は監視に限られ、宇宙空間で反撃する能力はない。
「宇宙空間に衝突が拡大した場合の作戦準備」が整っていないとして2015年に重大な懸念を示したロバート・ワーク国防副長官は、今年4月、もし宇宙空間で攻撃を受ければ反撃に出て、相手を撃退すると宣言した。