「未来に希望を」 オバマ大統領、地元シカゴでお別れ演説
そのうえで在任中に達成した経済、外交、社会面での成果を挙げ、「皆さんのおかげで米国は私たちがスタートした時と比べ、ほとんど全ての面でより良く、より強い国になった」と強調した。
トランプ次期大統領への政権移行をできるだけ円滑に完了させると改めて表明し、「民主主義だからといって画一的になる必要はない。建国者たちは口論と和解を繰り返していたし、後世の私たちにもそうすることを望んだ。だがかれらは同時に、民主主義には基本的な連帯感が必要だということも知っていた。外面上の違いがどれだけあろうと、私たちは栄える時も衰える時も運命をともにする仲間なのだ、という考え方だ」と語った。
その連帯を脅かす問題として経済格差を挙げ、続いて深刻化が目立つ人種間の対立に言及。対立を乗り越えるには「法律だけでは不十分だ」「私たちの心が変わらなければならない」と訴えた。
人種的少数派には白人の気持ちを、白人には少数派の気持ちを理解するよう呼び掛け、「だれもが自分たちと同じようにこの国を愛する仲間だということ、同じように勤勉さと家族を大切にしていること、相手の子どもたちも自分の子と同じように好奇心と希望に満ちた、愛するに値する存在だということ。この前提からスタートしなければならない」と述べた。