トランプ氏、「国境の壁」建設へ 大統領令に署名の意向
26日以降に向けて準備が進んでいる大統領令には、難民の受け入れを4カ月間完全に停止し、出身国ごとの危険性を見極めるという措置や、シリア難民の受け入れ事業を無期限で打ち切る措置などが含まれている。
また、親族の名誉を守るためとして女性を殺害する「名誉殺人」や女性への暴力に関与した移民は受け入れないこと、今年1年間に受け入れる難民を5万人までと制限することが明記される。
シリアの避難民については、米国務省と国防総省に対し、シリア国内に安全地帯を設けるよう指示する。オバマ前政権は、安全地帯を設定しても住民の苦痛は軽減されないとの立場を示していた。
トランプ氏は選挙前、「イスラム教徒の入国を全面的に禁止する」「不法移民は全員強制送還する」などの強硬発言で注目を集めた。実際には「テロが蔓延(まんえん)する国からの移民は受け入れない」「犯罪歴のある不法移民の追放が優先」と、態度を一部軟化させている。
だがこうした大統領令に対しては、「米国はより安全な国になるどころか、さらに恐怖におびえた排他的な国になる。それは建国の精神に反する」(米イスラム関係評議会フロリダ支部事務局長)、「トランプ氏は選挙戦で打ち出した最も恥ずべき、差別的な公約を実行に移そうとしている」(全米イラン系米国人評議会)など、強い反発の声が上がっている。