イスラエル元諜報トップ、トランプ氏の「機密漏えい」に警告
エルサレム(CNN) トランプ米大統領がイスラエルから得た過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に関する機密情報をロシアのラブロフ外相らとの会談で漏らしたとされる問題で、イスラエルの元情報機関トップは18日までに、米国との情報共有などに悪影響を及ぼすと警告した。
1996年から98年にかけてイスラエルの情報機関モサドを率いたダニー・ヤトム氏は、もしトランプ大統領がイスラエルの情報源を漏らしたならば「非常にまずい展開」であり、「大惨事」になる可能性があると述べた。
「米国の今後の扱い方が原因で情報源が危険にさらされるとわれわれが判断すれば、非常に機密性の高い情報については胸の内にしまっておくしかなくなるだろう」とヤトム氏は述べた。
また、イスラエルの情報収集能力への大きな打撃となる可能性もあるとヤトム氏は指摘する。「ISISに関する重要な情報を集め続けるわれわれの能力に、劇的な変化をもたらすかも知れない」とヤトム氏は述べた。「敵は情報の出所を容易に割り出して認識し、協力者探しを始めることができる」
イスラエル軍の元高官によれば、情報機関の間には明確な許可がない限り機密情報を他の国に伝えることはできないという不文律があるという。
だが、マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)の発言からは、この手続きが守られなかった可能性がうかがえる。マクマスター補佐官は16日、「大統領はこの情報がどこから来たのかさえ承知していなかった。情報源やその(取得)方法について説明されていなかった」と述べている。