米空軍、F35の飛行を一部停止 パイロット酸欠で
(CNN) 米空軍は9日、アリゾナ州ルーク空軍基地に所属する最新鋭戦闘機F35でパイロットが酸素不足に陥る事例が5件発生したことを受け、同基地のF35全機の飛行を一時的に停止したと明らかにした。10日には飛行を再開する見込みだとしている。
空軍報道官は声明で、パイロット5人が低酸素症のような症状を示したと公表。パイロットは全員、予備の酸素を使って機体を安全に着陸させたという。
また、飛行停止は「懸念や危険からではなく、万全を期して」取った措置だと強調。空軍は10日に任務を再開する計画だとしている。
第56戦闘航空団の司令官も、現地の空軍仕様機F35Aの飛行を取りやめたと発表。「空軍はこうした生理的な事例を深刻に受け止めている。我々が重視するのはパイロットの安全や健康だ」と述べたうえで、原因究明に向け必要な措置を取っていると明かした。
ルーク空軍基地には55機のF35Aが配備されている。同報道官によれば、今回の原因はまだ解明されていないものの、他の基地では同様の事例は報告されていないため、飛行停止の措置はルーク基地に限定されているという。
F35は開発が大幅に遅れたほか予算超過も発生するなど、相次ぐ後退に見舞われてきた。空軍は昨年、絶縁体の問題で10機のF35に地上待機を命令。また、射出座席の問題を受けパイロットに体重制限を課す措置も取られていたが、空軍は先月、この問題を解決したと発表した。